2024/12/25
愛犬や愛猫に食欲不振や元気消失が続いたり、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返したりしていることはありますか?もしかしたら、副腎皮質機能低下症(アジソン病)が原因かもしれません。あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、最悪の場合命に関わることもあるため、早期発見が重要です。
しかし、アジソン病は特徴的な症状に乏しく見落とされがちなため、定期的に健康診断を受けることが大切です。
今回は副腎皮質機能低下症(アジソン病)について、症状や診断方法、治療方法など詳しく解説します。
■目次
1.こんな症状があったら要注意!
2.犬のアジソン病について
3.猫のアジソン病について
4.診断方法
5.治療方法
6.日常生活での注意点
7.まとめ
・繰り返す食欲不振
・嘔吐や下痢
・元気消失、疲れやすい
・体重減少
・水をよく飲む
また、重度の副腎不全(副腎クリーゼ)に陥ると、痙攣や徐脈、失神、ショック症状などが見られます。副腎クリーゼは直ちに治療を行わないと命に関わるため、これらの症状には特に注意が必要です。
アジソン病は自己免疫の異常によって起こることが多いです。その他にも感染症や腫瘍、薬の副作用によって副腎皮質に異常が起こり、発症することもあります。
最初は症状が出たり出なかったりを繰り返し、ストレスがかかると症状が悪化しやすくなります。しかし、副腎の機能が著しく低下すると突発的なショック状態に陥り、最悪の場合命に関わることもあります。
<血液検査>
一般的な血液検査に加え、「ACTH刺激試験」という特殊な検査を行います。ACTHとは、副腎皮質ホルモンの分泌を刺激するホルモン(=副腎皮質刺激ホルモン)のことです。ACTHを注射し、注射する前と後で血液中のコルチゾールという副腎皮質ホルモンの濃度を測定することで、アジソン病かどうかを判断することができます。
<エコー検査>
おなかのエコー検査によって、副腎の大きさを確認します。
<定期検査>
定期的に通院や検査を行い、犬や猫の状態に合わせて薬の量を調整していくことが重要です。
<症状の記録>
病院を受診した際、正確に経過を伝えることで、治療に役立つことがあります。そのため、症状が出た日付、大体の時間、症状の詳細を記録しておくことをお勧めします。さらに、体重や飲水量、尿量を計測して記録しておくと、より良いでしょう。
<ストレス管理>
アジソン病はストレスで症状が悪化する可能性があります。そのため、適度な運動や飼い主様とのコミュニケーションなどを通して、なるべくストレスがかからないように工夫をしましょう。
<食事管理>
症状によっては、特定の食事を与えることで全身状態を維持するケースもあります。食事内容については、かかりつけ医の指示に従うようにしましょう。
アジソン病は生涯にわたる治療が必要なものの、しっかりと管理すれば天寿を全うできるケースも少なくありません。本記事を参考に気になる症状が見られた場合は、当院までご相談ください。
<参考>
https://www.sagami-central-amc.com/clinicnote/pdf/clinicnote03_03.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/18/2/18_2_31/_pdf/-char/ja
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しかし、アジソン病は特徴的な症状に乏しく見落とされがちなため、定期的に健康診断を受けることが大切です。
今回は副腎皮質機能低下症(アジソン病)について、症状や診断方法、治療方法など詳しく解説します。
■目次
1.こんな症状があったら要注意!
2.犬のアジソン病について
3.猫のアジソン病について
4.診断方法
5.治療方法
6.日常生活での注意点
7.まとめ
こんな症状があったら要注意!
副腎皮質機能低下症(アジソン病)とは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンが不足することによって起こる病気です。あまり特異的な症状はありませんが、以下のような症状が見られる場合は、アジソン病のサインである可能性が考えられます。・繰り返す食欲不振
・嘔吐や下痢
・元気消失、疲れやすい
・体重減少
・水をよく飲む
また、重度の副腎不全(副腎クリーゼ)に陥ると、痙攣や徐脈、失神、ショック症状などが見られます。副腎クリーゼは直ちに治療を行わないと命に関わるため、これらの症状には特に注意が必要です。
犬のアジソン病について
犬においてアジソン病の発症率はそれほど高くはありませんが、人よりも高い確率で発生します。好発犬種はトイ・プードルやパピヨン、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどです。また、4〜6歳のメス犬に多く発生し、特に避妊手術を行っていないメス犬に好発する傾向にあります。アジソン病は自己免疫の異常によって起こることが多いです。その他にも感染症や腫瘍、薬の副作用によって副腎皮質に異常が起こり、発症することもあります。
最初は症状が出たり出なかったりを繰り返し、ストレスがかかると症状が悪化しやすくなります。しかし、副腎の機能が著しく低下すると突発的なショック状態に陥り、最悪の場合命に関わることもあります。
猫のアジソン病について
猫のアジソン病はきわめて稀です。基本的に犬と同じような病態を示しますが、副腎そのものの異常から起こるケースは少なく、外傷や腫瘍に続発して起こることもあります。また、犬とは異なり、品種や性別による発症率の差は無いといわれています。診断方法
主に血液検査やエコー検査を行うことで診断します。<血液検査>
一般的な血液検査に加え、「ACTH刺激試験」という特殊な検査を行います。ACTHとは、副腎皮質ホルモンの分泌を刺激するホルモン(=副腎皮質刺激ホルモン)のことです。ACTHを注射し、注射する前と後で血液中のコルチゾールという副腎皮質ホルモンの濃度を測定することで、アジソン病かどうかを判断することができます。
<エコー検査>
おなかのエコー検査によって、副腎の大きさを確認します。
治療方法
ショック症状を起こしている場合は直ちに入院し、点滴やホルモン製剤の投与を行います。そして、全身状態が改善されて食欲が回復したら通院治療に切り替え、継続的にホルモン製剤(内服薬)を投与します。日常生活での注意点
アジソン病は基本的に生涯にわたって治療が必要です。そのため、日常生活において以下のようなさまざまな管理が必要になります。<定期検査>
定期的に通院や検査を行い、犬や猫の状態に合わせて薬の量を調整していくことが重要です。
<症状の記録>
病院を受診した際、正確に経過を伝えることで、治療に役立つことがあります。そのため、症状が出た日付、大体の時間、症状の詳細を記録しておくことをお勧めします。さらに、体重や飲水量、尿量を計測して記録しておくと、より良いでしょう。
<ストレス管理>
アジソン病はストレスで症状が悪化する可能性があります。そのため、適度な運動や飼い主様とのコミュニケーションなどを通して、なるべくストレスがかからないように工夫をしましょう。
<食事管理>
症状によっては、特定の食事を与えることで全身状態を維持するケースもあります。食事内容については、かかりつけ医の指示に従うようにしましょう。
まとめ
アジソン病はあまり特徴的な症状がなく、重度の副腎不全を引き起こしてはじめて病気の存在に気がつくケースも少なくありません。さらに予防も難しいため、定期的な健康診断によって早期発見・早期治療を行うことが大切です。アジソン病は生涯にわたる治療が必要なものの、しっかりと管理すれば天寿を全うできるケースも少なくありません。本記事を参考に気になる症状が見られた場合は、当院までご相談ください。
<参考>
https://www.sagami-central-amc.com/clinicnote/pdf/clinicnote03_03.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/18/2/18_2_31/_pdf/-char/ja
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