2024/10/03
膀胱は尿をためるための袋状の臓器で、内側は粘膜で覆われています。膀胱炎はこの粘膜の部分に炎症が起こった状態で、犬や猫に比較的よく見られます。
すぐに治療を行えば治りますが、対処が遅れると慢性化したり、再発を繰り返したりすることもあるため、いち早く異常に気がつくことが大切です。
今回は犬と猫の膀胱炎について、症状や原因、治療方法などをご紹介します。
■目次
1.膀胱炎とは
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
膀胱炎とは
膀胱炎とは、膀胱の粘膜に炎症が起こった状態のことで、さまざまな尿の異常が現れます。膀胱炎を引き起こす原因は細菌感染や膀胱結石などが挙げられますが、猫の場合は原因がわからないケースも多く見られます。症状
膀胱炎を引き起こすと、尿に関するさまざまな症状が現れます。・トイレに頻回に行く
・尿量が少ない
・尿が赤い
・尿をする時に痛そうに鳴く
・粗相が増える
また、尿が全く出なくなってしまうと「尿毒症」を引き起こし、最悪の場合亡くなってしまうケースもあります。
原因
犬や高齢の猫では細菌感染や膀胱結石によるものがほとんどですが、10歳以下の若い猫では膀胱結石や「特発性」による膀胱炎が多く見られます。特発性の原因ははっきりとはわかっていないものの、ストレスや肥満、水分摂取量の低下などがリスク因子になるといわれています。
診断方法
診断では以下のような流れで行います。1.問診：飼い主様から症状を詳細に確認します。
2.触診：おなかを触り、膀胱の大きさなどを確認します。
3.尿検査：尿の性状や細菌・結晶の有無などを確認します。
4.その他の検査：必要に応じて血液検査や画像検査などを行います。
治療方法
まず、細菌感染がある場合には、主に抗生物質や消炎剤などを投与します。膀胱結石がある場合は結石の種類に応じて、抗生物質の投与や療法食による内科的治療を行ったり、手術によって膀胱を切開して結石を摘出したりします。
また、健康診断の際、特に症状がない子に細菌尿が見つかることがあります。このような場合、一昔前までは抗生物質で治療することもありましたが、現在は治療をせずに経過観察を行っても問題ないということがわかっています。
予防法やご家庭での注意点
犬や猫は人間と同じように、トイレを我慢すると膀胱炎を引き起こすリスクが高くなります。そのため、トイレは常に清潔に保ち、猫の場合はトイレを多めに設置するようにしましょう。犬の場合、外でしか尿ができないと、天気が悪い日やお留守番が長い日に尿を我慢してしまうことになります。そのため、病気を予防するという観点で、お家の中でも尿ができるよう訓練をしておきましょう。ほかにも、水分をしっかり摂取することも大切です。ご家庭では水飲み場の数を増やす、流水が好きな子であれば自動給水器を利用する、ウェットフードを与えるなど、その子に合った工夫をしましょう。
また、ストレス軽減や肥満予防のために、適度な運動と適切な食事管理も忘れずに行いましょう。
ただし、どんなに気をつけていても、膀胱炎は完全に防ぐことはできません。そのため、定期的に健康診断を受けるなどして、いち早く異常に気付けるようにすることが大切です。
■関連する記事はこちらから
冬に多くなる泌尿器系の病気について┃水分を十分に摂取しよう
お問い合わせはこちら
ドクターオザワ動物病院グループ
東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています。
■クリックすると各院のページに遷移します
八王子病院（東京都八王子市）
ドクターオザワ動物病院の中で規模・設備ともに最も充実している八王子病院です。
内科・外科をはじめ、椎間板ヘルニアの治療・手術に力を入れており、CT・デジタルレントゲン・高性能麻酔システムを導入し、安全で質の高い獣医療を提供しています。
町田病院（東京都町田市）
平成14年7月にオープンした病院です。超音波画像診断や心電図を活用した、循環器疾患・消化器疾患の診断・治療に力を入れています。
町田病院はLINE配信を行っております！
犬や猫との暮らしに役立つ情報を配信中！是非ご登録下さい。
登録はこちらから
入間病院（埼玉県入間市）
平成17年7月にオープンした病院です。ペットフォレスト武蔵藤沢店の中にあります。若い犬猫や高齢期の犬猫まで幅広く診ることができます。
入間病院はLINE配信を行っております！
犬や猫との暮らしに役立つ情報を配信中！是非ご登録下さい。
登録はこちらから