2024/05/10
気温が暖かくなり、春の気配を感じる季節になると、市区町村の役所から狂犬病の予防接種のお知らせが届くと思います。
現在、日本では狂犬病の発生が確認されていませんが、狂犬病は感染した動物に噛まれることで、その動物の唾液に含まれるウイルスが他の動物や人間の体内に侵入し、感染が広がります。
また、狂犬病は感染した動物から噛まれることで人間にも感染する病気です。一度発症すると有効な治療方法がなく、ほとんどの場合死に至る非常に危険な病気です。
そのため、ご家庭の愛犬や愛猫を守るためだけでなく、他の動物や人間の健康を守るためにも、年に1回の狂犬病ワクチンの接種が極めて重要です。
今回は、狂犬病の予防の重要性について解説します。
狂犬病ウイルスは感染した動物の唾液に存在し、感染した動物に咬まれたり、舐められたりすることで、他の動物や人間へと感染が拡大します。特にキツネやコウモリ、たぬきなどの野生動物が、この病気の感染源だと考えられています。
狂犬病は世界中で発生しており、日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど一部の国を除いた全世界に感染が拡大しています。世界保健機関(WHO)の報告によると、年間約55,000人が狂犬病で命を落としており、そのなかの3万人以上がアジア地域の死亡者とされています。
感染した動物や人間は、ウイルスの潜伏期間を経た後に症状が現れます。この潜伏期間は、ウイルスに感染した部位やウイルスの量によって異なり、数週間から数ヶ月続くことが多いですが、稀に1年以上に及ぶこともあります。
1.前駆段階
感染後の初期段階では、下記の症状がみられます。
・嘔吐
・食欲不振
・遠吠え
・徘徊
・性格の変化 など
この段階は通常2日〜10日間程続き、感染した部位にはかゆみや軽い痛みを引き起こします。
2.興奮段階
前駆段階の後には興奮段階が始まります。
この段階では、下記の症状がみられます。
・異常な興奮
・攻撃性の増加
・水を恐れる(水恐怖症)
・音や光に対して過敏に反応する など
特に水恐怖症は狂犬病の特徴的な症状であり、水分を摂ることが非常に困難になります。
この興奮段階は通常、数日から最長で1週間程度続きます。
3.麻痺段階
最終的には麻痺段階に進行します。
この段階では、呼吸困難や全身の麻痺が進み、最終的には呼吸が停止し死に至ります。
現在、狂犬病には確立された治療法が存在しません。そのため、症状を発症した後の治療は
深い鎮静や痛みが緩和される「支持療法」に限られ、致死率はほぼ100%です。
全ての犬は生後数ヶ月以内に初めてワクチンを接種し、その後は狂犬病予防法に従って、「年に1回の狂犬病ワクチンの接種」が義務付けられています。
また、ワクチン接種を受けなかった場合、罰金が科されることもあるため、接種スケジュールは正確に管理しましょう。
ワクチンの副作用が起こることは一般的に少ないとされています。
もし、副作用が発生した場合は、接種部位の腫れや発熱が起こることがありますが、数日で自然に解消されます。
しかし、副作用が心配な場合や以前に副作用があった場合は、接種前に獣医師に相談することが重要です。
特に外出時には、愛犬が野生動物と接触しないように注意し、散歩の際はリードをしっかりと使用しましょう。
もし、他の動物に噛まれたり、野生動物との接触が疑われたりする場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
そのため、普段から感染予防を行うことは非常に重要です。
愛犬をウイルス感染から守るためにも、年に1回のワクチン接種をきちんと行い、接種スケジュールを正確に管理することが重要です。
■ウイルス感染症に関する記事はこちらから
犬や猫のSFTS(重症熱性血小板減少症)の症状は?原因や症状、治療・予防方法について
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現在、日本では狂犬病の発生が確認されていませんが、狂犬病は感染した動物に噛まれることで、その動物の唾液に含まれるウイルスが他の動物や人間の体内に侵入し、感染が広がります。
また、狂犬病は感染した動物から噛まれることで人間にも感染する病気です。一度発症すると有効な治療方法がなく、ほとんどの場合死に至る非常に危険な病気です。
そのため、ご家庭の愛犬や愛猫を守るためだけでなく、他の動物や人間の健康を守るためにも、年に1回の狂犬病ワクチンの接種が極めて重要です。
今回は、狂犬病の予防の重要性について解説します。
■目次
1.狂犬病とはどんな病気?
2.狂犬病に感染すると引き起こる症状
3.狂犬病ワクチンとその副作用について
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ
狂犬病とはどんな病気?
狂犬病は、主に哺乳類に対して感染する病気で、狂犬病ウイルスによって引き起こされます。この病気は中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)に影響を及ぼし、効果的な治療法がないため、致死率はほぼ100%に至ります。狂犬病ウイルスは感染した動物の唾液に存在し、感染した動物に咬まれたり、舐められたりすることで、他の動物や人間へと感染が拡大します。特にキツネやコウモリ、たぬきなどの野生動物が、この病気の感染源だと考えられています。
狂犬病は世界中で発生しており、日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど一部の国を除いた全世界に感染が拡大しています。世界保健機関(WHO)の報告によると、年間約55,000人が狂犬病で命を落としており、そのなかの3万人以上がアジア地域の死亡者とされています。
狂犬病に感染すると引き起こる症状
狂犬病ウイルスに感染すると、臨床経過は大きく分けて3つの段階に分類されます。感染した動物や人間は、ウイルスの潜伏期間を経た後に症状が現れます。この潜伏期間は、ウイルスに感染した部位やウイルスの量によって異なり、数週間から数ヶ月続くことが多いですが、稀に1年以上に及ぶこともあります。
1.前駆段階
感染後の初期段階では、下記の症状がみられます。
・嘔吐
・食欲不振
・遠吠え
・徘徊
・性格の変化 など
この段階は通常2日〜10日間程続き、感染した部位にはかゆみや軽い痛みを引き起こします。
2.興奮段階
前駆段階の後には興奮段階が始まります。
この段階では、下記の症状がみられます。
・異常な興奮
・攻撃性の増加
・水を恐れる(水恐怖症)
・音や光に対して過敏に反応する など
特に水恐怖症は狂犬病の特徴的な症状であり、水分を摂ることが非常に困難になります。
この興奮段階は通常、数日から最長で1週間程度続きます。
3.麻痺段階
最終的には麻痺段階に進行します。
この段階では、呼吸困難や全身の麻痺が進み、最終的には呼吸が停止し死に至ります。
現在、狂犬病には確立された治療法が存在しません。そのため、症状を発症した後の治療は
深い鎮静や痛みが緩和される「支持療法」に限られ、致死率はほぼ100%です。
狂犬病ワクチンとその副作用について
狂犬病ワクチンは、ウイルスに対する強力な免疫を構築するため、感染予防に最も効果的です。全ての犬は生後数ヶ月以内に初めてワクチンを接種し、その後は狂犬病予防法に従って、「年に1回の狂犬病ワクチンの接種」が義務付けられています。
また、ワクチン接種を受けなかった場合、罰金が科されることもあるため、接種スケジュールは正確に管理しましょう。
ワクチンの副作用が起こることは一般的に少ないとされています。
もし、副作用が発生した場合は、接種部位の腫れや発熱が起こることがありますが、数日で自然に解消されます。
しかし、副作用が心配な場合や以前に副作用があった場合は、接種前に獣医師に相談することが重要です。
予防法やご家庭での注意点
狂犬病の予防は、ワクチン接種を行うだけでなく、普段の生活においても注意することが非常に重要です。特に外出時には、愛犬が野生動物と接触しないように注意し、散歩の際はリードをしっかりと使用しましょう。
もし、他の動物に噛まれたり、野生動物との接触が疑われたりする場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
まとめ
狂犬病は症状が現れると治療が非常に困難なため、ほとんどの場合は死に至ります。そのため、普段から感染予防を行うことは非常に重要です。
愛犬をウイルス感染から守るためにも、年に1回のワクチン接種をきちんと行い、接種スケジュールを正確に管理することが重要です。
■ウイルス感染症に関する記事はこちらから
犬や猫のSFTS(重症熱性血小板減少症)の症状は?原因や症状、治療・予防方法について
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東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています。
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内科・外科をはじめ、椎間板ヘルニアの治療・手術に力を入れており、CT・デジタルレントゲン・高性能麻酔システムを導入し、安全で質の高い獣医療を提供しています。
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