犬の橈尺骨骨折について┃小さな段差にも注意が必要 - ドクターオザワ動物病院 八王子・町田・入間

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橈尺骨とは、前腕の手首から肘の間にある2本の骨のことで、親指側が橈骨、小指側が尺骨と呼ばれます。特に小型犬や超小型犬、子犬はこれらの骨が非常に細いため、落下や転倒により橈尺骨骨折が起こりやすくなります。骨折部は時間とともに変形し、正常に癒合しない可能性が高まるため、出来るだけ早く適切な治療を施すことが重要です。

今回は橈尺骨骨折の原因や症状、治療法について詳しく解説します。



■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

抱っこやソファから落ちる、遊んでいて転ぶ、踏まれてしまうなど前足に大きな負荷がかかると骨折をしてしまいます

特にチワワやトイプードル、チワワ、イタリアングレーハウンドなど腕の細い小型犬や超小型犬によくみられます


症状

骨折部は強い痛みを伴うため、患肢を地面につけることができず挙上が認められます。また、歩行時の跛行や、痛みからの元気消失、食欲不振も多くみられます。

他にも、骨折部分が腫れ、熱を持ちます。


診断方法

X線検査により骨折の種類と位置を確認します。通常、正面からと側面からの二方向を撮影します。

また、場合によってはCT検査を行うこともあります。


治療方法

治療法は骨折の程度により異なります。

軽度な骨折(骨が完全に折れておらず、ズレもないもの)やひびであればギプスや包帯で固定し、数週間の安静で治療します。

完全骨折(骨が完全に折れ、ズレているもの)は手術が必要です。手術は骨を正しい位置に戻し整復して、プレートやスクリューで固定する方法が多く用いられます。
また、骨の手術は術後に強い痛みを伴います。痛みが強いと循環系に支障をきたしたり、痛みのストレスにより治りが悪くなったりするため、痛みを極力軽減してあげることが大切です。

当院では全身麻酔とは別に神経ブロックという手法を併用し、痛みのコントロールを行っています。神経ブロックとは術野の近くの末梢神経に局所麻酔を投与し、手術部分の痛覚をブロックする方法です。これにより全身麻酔の量を減らせるメリットもあります。


予防法やご家庭での注意点

犬を抱っこするときは落下に十分注意し、ソファやベッドの下にはマットやラグを敷いたり、階段を設置したりなど工夫をして事故を防ぎましょう。

特に、小型犬や超小型犬では小さい段差であっても骨折してしまうことがあるため、ジャンプで着地することなどがないように、生活環境を見直しましょう。


まとめ

骨折は早期に適切な治療を行わないと生涯に渡って歩行異常や歩行困難となる可能性があります。また、骨折の治療法や手術の方法は様々であるため、主治医とよく相談し、治療のメリットやデメリットをしっかりと把握することが大切です。愛犬に跛行や歩様の異常がみられた場合はできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

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