2023/10/02
人と違い、犬や猫の外耳道は一旦垂直に下がり、そこからL字型に曲がっています。そのため、外耳道に炎症が起こる外耳炎は、犬や猫でよくみられる病気の一つとなっており、耳を頻繁に掻こうとする、頭を振る、においのある耳垢が出てくるなどの症状が見られます。
今回は、犬や猫の外耳炎について解説します。
特に、耳の垂れた犬種(コッカー・スパニエル、ダックスフンドなど)や耳毛が多い犬種(ミニチュア・シュナウザー、シーズー、トイプードルなど)では、通気性が悪く、外耳炎を発症しやすい傾向があると言われています。
ヒトと犬猫の耳の構造の違い
細菌や真菌、さらには耳ダニなどの寄生虫による感染が外耳炎を引き起こすことが多く、特に耳内部が湿った状態になることで、これらの微生物や寄生虫が増殖しやすくなります。
外耳炎の原因は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
・垂れている耳、狭い耳道、耳道狭窄、耳道の毛など構造的な問題
・細菌やマラセチア(真菌)といった微生物の増殖を促す、アトピー、食物アレルギー、ホルモン疾患などの病気
・耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
・異物
・腫瘍 など
外耳炎を放置して症状が進行すると、中耳炎や内耳炎、耳介が膨れる耳血腫などを引き起こす場合があるため、これらの症状が見られた際は早めに動物病院を受診しましょう。
そして、耳垢を顕微鏡で観察し、細菌やマラセチア、寄生虫など外耳炎の原因を調べます。また、必要に応じて細菌培養検査をすることもあります。
さらに、外耳炎を引き起こす基礎疾患があるかを調べるため、血液検査や画像検査などを行うこともあります。
また、外耳炎の原因に応じて、点耳薬や駆虫薬、内服を投与します。
外耳炎の再発を繰り返し、なかなか治らない難治性外耳炎の場合は、原因となっている基礎疾患があれば、同時に治療を行います
さらに、外耳炎の原因が耳道の狭窄や腫瘍の場合には、外科的治療も検討されます。
自宅での耳洗浄が難しい場合には、月に1回動物病院やトリミングで行ってもらうようにしましょう。
また、日頃から耳の中をよく観察し、赤味や臭い、耳垢の量をチェックすることも重要です。
しかし、綿棒を使用や誤った方法で洗浄を行うと、それが原因で外耳炎を発症したり、症状を悪化させている場合があるので、動物病院などで正しい方法を教えてもらうようにしましょう。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、気になることがあれば、当院までご相談ください。
お問い合わせはこちら
ドクターオザワ動物病院グループ
東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています
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八王子病院(東京都八王子市)
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今回は、犬や猫の外耳炎について解説します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防および飼い主が気を付けるべき点
6.まとめ
原因
犬や猫の外耳道はL字型をしており、耳道が狭く、耳の中が蒸れやすくなっています。特に、耳の垂れた犬種(コッカー・スパニエル、ダックスフンドなど)や耳毛が多い犬種(ミニチュア・シュナウザー、シーズー、トイプードルなど)では、通気性が悪く、外耳炎を発症しやすい傾向があると言われています。
ヒトと犬猫の耳の構造の違い
細菌や真菌、さらには耳ダニなどの寄生虫による感染が外耳炎を引き起こすことが多く、特に耳内部が湿った状態になることで、これらの微生物や寄生虫が増殖しやすくなります。
外耳炎の原因は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
・垂れている耳、狭い耳道、耳道狭窄、耳道の毛など構造的な問題
・細菌やマラセチア(真菌)といった微生物の増殖を促す、アトピー、食物アレルギー、ホルモン疾患などの病気
・耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
・異物
・腫瘍 など
症状
外耳炎になると、耳のかゆみや痛みから、頭を振る、後ろ足で耳を掻く、耳をこすりつける、耳が赤く腫れる、耳が臭う、耳垢が増える、濃い黄色や茶色の耳垢が出るなどの症状がみられます。外耳炎を放置して症状が進行すると、中耳炎や内耳炎、耳介が膨れる耳血腫などを引き起こす場合があるため、これらの症状が見られた際は早めに動物病院を受診しましょう。
診断方法
問診や臨床症状、耳鏡を使って外耳道の状態を観察し耳垢や腫れ、赤味などの確認を行うことで診断します。そして、耳垢を顕微鏡で観察し、細菌やマラセチア、寄生虫など外耳炎の原因を調べます。また、必要に応じて細菌培養検査をすることもあります。
さらに、外耳炎を引き起こす基礎疾患があるかを調べるため、血液検査や画像検査などを行うこともあります。
治療方法
外耳炎の治療は、病院やご自宅で、イヤークリーナーや生理食塩水を使用して耳道を定期的に洗浄することです。また、外耳炎の原因に応じて、点耳薬や駆虫薬、内服を投与します。
外耳炎の再発を繰り返し、なかなか治らない難治性外耳炎の場合は、原因となっている基礎疾患があれば、同時に治療を行います
さらに、外耳炎の原因が耳道の狭窄や腫瘍の場合には、外科的治療も検討されます。
予防および飼い主が気を付けるべき点
外耳炎の予防には、イヤークリーナーでの耳洗浄、耳毛が多い犬種では耳毛抜きを定期的に行うことが大切です。自宅での耳洗浄が難しい場合には、月に1回動物病院やトリミングで行ってもらうようにしましょう。
また、日頃から耳の中をよく観察し、赤味や臭い、耳垢の量をチェックすることも重要です。
まとめ
外耳炎の予防には、耳洗浄を行うことが大切です。しかし、綿棒を使用や誤った方法で洗浄を行うと、それが原因で外耳炎を発症したり、症状を悪化させている場合があるので、動物病院などで正しい方法を教えてもらうようにしましょう。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、気になることがあれば、当院までご相談ください。
お問い合わせはこちら
ドクターオザワ動物病院グループ
東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています
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