暑い日に気をつけたい犬や猫の熱中症について - ドクターオザワ動物病院 八王子・町田・入間で診療

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犬や猫の熱中症は、高温多湿な環境に長時間晒されることにより体温が上昇し、高体温および脱水が引き起こされます。
熱中症は猫でも見られますが圧倒的に犬で多くみられる病気です。
本記事では、犬や猫の熱中症の原因や症状、予防法について解説していきます。


■目次
1.熱中症の原因
2.熱中症の症状
3.熱中症になってしまったときの応急処置
4.予防方法
5.まとめ

熱中症の原因

犬は全身が毛で覆われている上に、人のように全身で汗をかいて体温調整ができないため、熱中症になりやすい傾向があります。
また、犬は体のごく一部でしか汗をかけないため、パンティング(ハッハッという呼吸)により熱を放散しています
しかし、呼吸で体から放散できる熱の量には限界があるため、気温や湿度の高い状態が続くと、体温を下げられなくなり熱中症になります。

一方、猫は祖先が砂漠出身の「リビアヤマネコ」といわれており、人や犬などと比べ筋肉量が少なく体温が上がりにくいため、暑さには比較的強い動物です。猫の熱中症は風のない、熱気のこもった室内で起こるケースが多く、室内で飼われることの多い猫は注意が必要です

特に、幼齢や老齢、肥満傾向、病気で体力が低下している犬や猫は熱中症になりやすい特徴があります。
また、犬では短頭種と呼ばれる犬種(フレンチ・ブルドッグやパグなど)、猫では鼻が低い品種(ペルシャ、エキゾチックショートヘア、スコティッシュフォールドなど)が熱中症リスクが高いと言われています


熱中症の症状

熱中症では、高体温と脱水から体内の水分量や塩分量などのバランスが崩れることにより、様々な臓器に障害が生じ、以下のような症状が現れます。

初期
元気がなくなり、ハァハァ激しいあえぎ呼吸と大量のよだれがみられます。また、目が充血したり、耳の内側や口の粘膜の赤味が強くなることも多いです。
中期
呼吸は浅く、心音が弱くなり、ぐったりした状態になります。時には、血液の混じった嘔吐や下痢、けいれんを起こすこともあります。
末期
酷い脱水から血液がドロドロと濃くなり、全身の血液循環が悪くなります。そのため、血液によって運ばれるはずの酸素が全身に十分に行き渡らず、酸欠状態から舌は真っ青(チアノーゼ)になり、さらに意識がもうろうとしてくるなどのショック状態を引き起こし、最悪の場合には死に至るのです。



熱中症になってしまったときの応急処置

熱中症の応急処置では、「体を冷やして、体温を下げる」ことが重要です。

散歩中に発症してしまった場合は、涼しい日陰に移動し、首や脇の下、太ももの付け根など太い血管が走っている箇所に水をかけ体温の上昇を防ぎます
そして、直ちに動物病院に連絡をし、病院への移動時にも、太い血管が走っている首まわりや脇下を重点的に冷やしたタオルや保冷剤などを当て、可能な限り冷却処置を行ってください

しかし、体温を早く下げようと冷水や氷、アイスバッグを用いて急激に冷やすと体温が下がりすぎないようにするため、血管が収縮したり体が震えたりします。
水や氷を使用する際は、冷やしすぎに気をつけてください
上記の応急処置で状態が回復した場合でも、必ず動物病院を受診してください。


予防方法

犬や猫を高温多湿な環境に置かないことが最大の熱中症の予防となります。


①屋外での対策

夏場の外出は、涼しい時間帯に出来るだけ出かけるように心がけてください。
また、気温も大切ですが、地面から近いところを歩く犬は、アスファルトからの反射熱(放射熱)を受けやすいため、アスファルトの熱が冷めた早朝や夜などの時間帯に散歩に行くようにしましょう
ペット用の暑さ対策グッズを活用することもおすすめです。
さらに、夏場の外出や散歩では、こまめな水分補給も忘れずに行いましょう。


②室内での対策

夏場は、室内の風通しをよくしたり、扇風機やエアコンで室内を23~26℃に維持し、涼しく快適な温度を保つことが大切です。


③車内への放置は絶対にしない

締め切った車内は急に温度が上昇しやすいため、数分で熱中症になる危険性があります
そのため、犬や猫を車内に放置することは短い時間でも絶対に避けましょう
特に、猫ではキャリーバックなどの中に熱がこもり、熱中症になるケースが多くみられています。


まとめ

熱中症は、命に関わる病気であるため外出時はもちろん、室内にいるときにも注意が必要です。
万が一、熱中症の症状がみられたら、すぐに応急処置を行い、動物病院を受診してください。

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