2024/08/19
今回は、犬のアトピー性皮膚炎について解説します。
また、当院では「サイトポイント」という新しい治療薬を用いて治療を行っていますので、どんな薬なのかについてもご紹介していきます。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下することにより、花粉やハウスダスト、ノミなどのアレルゲンに対して異常な免疫反応が引き起こされることが原因で起こります。
また、この病気は遺伝的な要素が絡んでいるため、特定の犬種(ウェスティや柴犬など)に多くみられます。
症状
アトピー性皮膚炎を起こすと、ほとんどの場合3歳までに痒みを伴う皮膚症状がみられます。初めのうちは季節に合わせて重症度が変わりますが、悪化すると季節に関係なく症状が現れるようになります。
また、アトピー性皮膚炎の症状は以下の部位に多くみられます。
・顔や耳
・脇の下
・後ろ足の付け根
・おなか
・しっぽの付け根
・指の間 など
診断方法
アトピー性皮膚炎の診断では、まず問診や身体検査を行い、年齢や犬種、症状などからアトピー性皮膚炎を疑います。ただし、アトピー性皮膚炎と似たような症状を引き起こす病気は他にもあるため、一般的な皮膚検査を行い、他の皮膚疾患を否定することで総合的に診断します。
また、必要に応じて血液検査や除去食試験(アレルギーを起こしにくい食事を与えて症状が改善するか確認する検査)を行うこともあります。
治療方法
アトピー性皮膚炎の主な治療法は薬物療法で、ステロイド剤やシクロスポリン、オクラシチニブ、抗ヒスタミン剤などが使われます。
ただし、当院では犬のアトピー性皮膚炎の新たな治療薬であるサイトポイントという注射薬を用いています。サイトポイントは痒みを誘発する物質を中和することで症状を緩和する効果があり、さらに、以下のようなメリットを得ることができます。
・注射後24時間以内に効果が出る
・1回の注射で約1ヶ月間効果が持続する
・副作用が少ない
・根本改善が見込める
また、薬物療法に加え、皮膚を健やかに保つためのサプリメントや療法食を取り入れることもあります。
サイトポイントについてはこちらから
予防法やご家庭での注意点
アトピー性皮膚炎を完全に予防することは難しいものの、身の回りのアレルゲンを極力取り除くことが大切です。こまめに部屋の掃除や換気を行い、布製品は定期的に洗濯するようにしましょう。
また、日頃からシャンプーや保湿剤を使ったスキンケアを行い、皮膚のバリア機能をサポートすることも大切です。ただし、洗浄力が強すぎるシャンプー剤を使ったり、頻繁にシャンプーをしたりするとかえって皮膚のバリア機能が低下してしまいます。そのため、シャンプー剤は低刺激性のものを選び、シャンプーは月に1〜2回を目安に行いましょう。
まとめ
犬のアトピー性皮膚炎は完治が難しいため、主に痒みをコントロールする治療を行います。ただし、治療を行っていても症状には浮き沈みがあるため、かかりつけ医と連携しながら、うまく病気と付き合っていくことが大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、万が一アトピー性皮膚炎が疑われる症状がみられた場合は、お気軽に当院までご相談ください。
■関連する記事はこちらから
犬と猫のアレルギー性皮膚炎について|かゆみ、赤み、脱毛の原因は?
犬や猫の外耳炎について│耳が臭い、汚い、かゆい原因
お問い合わせはこちら
ドクターオザワ動物病院グループ
東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています。
■クリックすると各院のページに遷移します
八王子病院(東京都八王子市)
ドクターオザワ動物病院の中で規模・設備ともに最も充実している八王子病院です。
内科・外科をはじめ、椎間板ヘルニアの治療・手術に力を入れており、CT・デジタルレントゲン・高性能麻酔システムを導入し、安全で質の高い獣医療を提供しています。
町田病院(東京都町田市)
平成14年7月にオープンした病院です。超音波画像診断や心電図を活用した、循環器疾患・消化器疾患の診断・治療に力を入れています。
町田病院はLINE配信を行っております!
犬や猫との暮らしに役立つ情報を配信中!是非ご登録下さい。
登録はこちらから
入間病院(埼玉県入間市)
平成17年7月にオープンした病院です。ペットフォレスト武蔵藤沢店の中にあります。若い犬猫や高齢期の犬猫まで幅広く診ることができます。
入間病院はLINE配信を行っております!
犬や猫との暮らしに役立つ情報を配信中!是非ご登録下さい。
登録はこちらから