2024/06/10
猫の甲状腺機能亢進症は、特に高齢の猫に多く見られる病気です。
この病気は、甲状腺ホルモンが過剰に生産されることによって引き起こされ、体全体に影響を及ぼします。しかし、適切な治療と管理を行うことで、愛猫の生活の質を維持することができます。
甲状腺ホルモンは体の代謝を調節する役割を持っているため、そのバランスが崩れると、食欲が増す、食べる割に体重が減る、行動が変わるなど、さまざまな症状が現れることがあります。
今回は猫の甲状腺機能亢進症について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。
具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下が関与していると考えられています。
・加齢
・食事
・飼育環境
・遺伝的要因 など
この病気は、高齢の猫に見られる内分泌系の疾患で、特に10歳以上の猫に発症することが多いです。
他にも、以下の症状が見られます。
・多飲多尿
・落ち着きがない
・攻撃的になる
・毛並みの悪化
・下痢や嘔吐 など
さらに、甲状腺機能亢進症は、心筋症や高血圧、腎臓病などの深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。
<触診>
診断の最初のステップとして、猫の喉の近くにある甲状腺を触診します。甲状腺機能亢進症の猫では、甲状腺が通常よりも大きく腫れていることが多いため、触診によってその異常を確認できます。
<血液検査>
甲状腺ホルモンのレベルを測定する血液検査は、甲状腺機能亢進症の診断において非常に重要です。血液検査では、特にT4(チロキシン)の値が重要視されます。甲状腺機能亢進症の猫では、T4レベルが通常の範囲を超えて高くなることが多いです。
<追加検査>
全体的な健康状態を把握し、甲状腺機能亢進症に関連する可能性のある他の合併症を確認するために、以下のような追加の検査が行われることがあります。
・尿検査:腎機能の状態を評価します。
・一般血液検査:全体的な健康状態と臓器機能を評価します。
・血圧測定:高血圧の有無を確認します。
・X線検査やエコー検査:心筋症など、甲状腺機能亢進症に伴う合併症の特定に役立ちます。
・眼科検査:高血圧に伴う網膜剝離など、目に影響を及ぼす合併症の検査を行います。
これらの検査結果を総合的に判断して、甲状腺機能亢進症の診断を下します。
<抗甲状腺薬物療法>
甲状腺ホルモンの生成を抑える薬を使用します。この薬物療法は甲状腺機能亢進症の症状を効果的にコントロールできますが、薬を生涯にわたって毎日投与する必要があります。
また、副作用に注意し、定期的な血液検査によるモニタリングが必要です。
<食事療法>
ヨウ素制限食を用いた食事療法も、甲状腺機能亢進症の一般的な治療法の1つです。甲状腺ホルモンの生成にはヨウ素が不可欠なため、ヨウ素の摂取量を制限することでホルモンの生成を抑えることができます。
<手術による甲状腺摘出>
薬物療法や食事療法でのコントロールが難しい場合には、甲状腺を摘出する手術を行う可能性があります。
甲状腺摘出手術は、過剰にホルモンを生成する甲状腺組織の一部または全体を外科的に取り除く方法です。
しかし、手術を行うには全身麻酔が必要なため、特に高齢猫や他に健康問題を抱えている猫にはリスクが伴います。
他にも、甲状腺機能亢進症によって引き起こされる可能性がある心筋症や高血圧などの合併症の管理も重要です。
しかし、定期的に健康診断を受けることで、病気を早期発見し早期治療を行うことが可能です。
飼い主様は、普段から愛猫の食欲や体重、活動レベルの変化に注意を払い、異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談することが重要です。
健康診断についてはこちらから
飼い主様は、日々の生活の中で愛猫の様子の変化に注意を払い、健康で快適な生活を送れるようにサポートしましょう。
犬の甲状腺機能低下症についてはこちらから
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この病気は、甲状腺ホルモンが過剰に生産されることによって引き起こされ、体全体に影響を及ぼします。しかし、適切な治療と管理を行うことで、愛猫の生活の質を維持することができます。
甲状腺ホルモンは体の代謝を調節する役割を持っているため、そのバランスが崩れると、食欲が増す、食べる割に体重が減る、行動が変わるなど、さまざまな症状が現れることがあります。
今回は猫の甲状腺機能亢進症について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
甲状腺機能亢進症は、主に甲状腺の腫瘍や過形成によって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が異常に高まる病気です。具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下が関与していると考えられています。
・加齢
・食事
・飼育環境
・遺伝的要因 など
この病気は、高齢の猫に見られる内分泌系の疾患で、特に10歳以上の猫に発症することが多いです。
症状
最も一般的な症状は、代謝が高まるため食欲が増す一方、体重が減少することがあります。他にも、以下の症状が見られます。
・多飲多尿
・落ち着きがない
・攻撃的になる
・毛並みの悪化
・下痢や嘔吐 など
さらに、甲状腺機能亢進症は、心筋症や高血圧、腎臓病などの深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。
診断方法
診断には下記のような検査を行います。<触診>
診断の最初のステップとして、猫の喉の近くにある甲状腺を触診します。甲状腺機能亢進症の猫では、甲状腺が通常よりも大きく腫れていることが多いため、触診によってその異常を確認できます。
<血液検査>
甲状腺ホルモンのレベルを測定する血液検査は、甲状腺機能亢進症の診断において非常に重要です。血液検査では、特にT4(チロキシン)の値が重要視されます。甲状腺機能亢進症の猫では、T4レベルが通常の範囲を超えて高くなることが多いです。
<追加検査>
全体的な健康状態を把握し、甲状腺機能亢進症に関連する可能性のある他の合併症を確認するために、以下のような追加の検査が行われることがあります。
・尿検査:腎機能の状態を評価します。
・一般血液検査:全体的な健康状態と臓器機能を評価します。
・血圧測定:高血圧の有無を確認します。
・X線検査やエコー検査:心筋症など、甲状腺機能亢進症に伴う合併症の特定に役立ちます。
・眼科検査:高血圧に伴う網膜剝離など、目に影響を及ぼす合併症の検査を行います。
これらの検査結果を総合的に判断して、甲状腺機能亢進症の診断を下します。
治療方法
治療方法は、病気の進行具合や猫の全体的な健康状態、飼い主様の状況に応じて異なります。主に以下の治療方法を組み合わせて行います。<抗甲状腺薬物療法>
甲状腺ホルモンの生成を抑える薬を使用します。この薬物療法は甲状腺機能亢進症の症状を効果的にコントロールできますが、薬を生涯にわたって毎日投与する必要があります。
また、副作用に注意し、定期的な血液検査によるモニタリングが必要です。
<食事療法>
ヨウ素制限食を用いた食事療法も、甲状腺機能亢進症の一般的な治療法の1つです。甲状腺ホルモンの生成にはヨウ素が不可欠なため、ヨウ素の摂取量を制限することでホルモンの生成を抑えることができます。
<手術による甲状腺摘出>
薬物療法や食事療法でのコントロールが難しい場合には、甲状腺を摘出する手術を行う可能性があります。
甲状腺摘出手術は、過剰にホルモンを生成する甲状腺組織の一部または全体を外科的に取り除く方法です。
しかし、手術を行うには全身麻酔が必要なため、特に高齢猫や他に健康問題を抱えている猫にはリスクが伴います。
他にも、甲状腺機能亢進症によって引き起こされる可能性がある心筋症や高血圧などの合併症の管理も重要です。
予防法やご家庭での注意点
甲状腺機能亢進症は、その発生メカニズムがまだ完全には解明されていないため、具体的な予防方法はありません。しかし、定期的に健康診断を受けることで、病気を早期発見し早期治療を行うことが可能です。
飼い主様は、普段から愛猫の食欲や体重、活動レベルの変化に注意を払い、異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談することが重要です。
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まとめ
猫の甲状腺機能亢進症は、早期に発見し、早期に治療することが愛猫の健康を守る上で非常に重要です。飼い主様は、日々の生活の中で愛猫の様子の変化に注意を払い、健康で快適な生活を送れるようにサポートしましょう。
犬の甲状腺機能低下症についてはこちらから
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東京都八王子市に本院を置き、町田市、埼玉県入間市で3つの動物病院を運営しています。
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内科・外科をはじめ、椎間板ヘルニアの治療・手術に力を入れており、CT・デジタルレントゲン・高性能麻酔システムを導入し、安全で質の高い獣医療を提供しています。
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